行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.30 東京高裁 昭和50(行コ)39 判定取消請求控訴等事件(8)

 

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、国鉄をはじめとする交通機関にあつても同様に対策に頭を痛めて備えを固めた。このような状態の中で、人々に大きな不安を抱かせながら、いわゆる一〇・二一国際反戦行動がくり広げられたものである。ヘルメツト、タオル覆面といつた異様な風体で、石塊、火炎ビンを投げつけ、角材、鉄パイプをふるつたその行動の激しさ、無法さは全く世論から浮き上つたメチヤクチヤな行動と評するほかはない。派出所が襲撃され、新宿、高田馬場駅付近を中心として各地で石塊、火炎ビン投てきが行われ、国電等の交通機関がマヒ状態とされ、乗用車が炎上させられるなど反戦という平和主義とは裏腹に暴力を振い、東京都を半身不髄にしたことは、矛盾も甚だしいものであると言わざるを得ない。
(三) 新聞の論調、社説、投書などをみても、いずれも猛省を促すものばかりで、支持するも

のは見当らない。
とくに教師がこのような行動に参加し、行動を共にしたということは、社会に対する信用を失墜し、全体の奉仕者にふさわしくない行為をなしたものと言わざるを得ない。およそ教師は「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」(教育基本法第一条参照)に当るべく極めて重要な職務を担当遂行しているものであり、教師の言動の児童・生徒に及ぼす影響は、まことに大なるものがあることは言をまたない。こうした重要な職責を有す

る教師は、法を守り社会の秩序を守り、その言動には充分な注意を払うべきことが要請されているのである。
控訴人が一〇・二一国際反戦行動に参加して逮捕されたことは、新聞・テレビ等で大々的に報道されてまことにセンセーシヨナルな話題となつた。その行為に対して、世間あるいは地域住民から激しい非難をあびせられ、特に多くの父兄に激しい動揺と不安を与えたものである。
5 教諭の職務
教諭は生徒の教育を掌る(学校教育法五一条・二八条六項)。生徒の教育とは、単に授業による知識の注入にとどまるものでなく、授業時間の内外、学校の内外を通じての

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