行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.30 東京高裁 昭和50(行コ)39 判定取消請求控訴等事件(10)

 

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経済等の社会的現象について強い関心を抱く反面、その思考力及び判断力はきわめて未熟であつて、教諭の影響をきわめて受けやすい状態にあるから、教諭が生徒に対して政治的行為を行い、もしくは生徒に直接影響を与えるが如き政治的行為をなすことは、教育本来の目的に違背した悪影響を及ぼす結果となることは言をまたないところである。
7 信用失墜等行為の禁止
主権在民を基本原則とする日本国憲法のもとにおいては、公務員は全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではなく(一五条二項)、その任命罷免は国民の固有の権利である(同条一項)。
教諭は、次代国民を担う生徒の訓育教化にあたるものであつて、その職務の公共性は公務員のうち最も高いものの一である。されば、職務の履行にあたつては、全力を尽して教育の目的に沿つた生徒の訓育教化に専

念しなければならないことは言をまたない。
しかるに、教諭が生徒に対して政治活動を指導ないし煽動することは、職務上の義務に違反するものであるが、さらに革命を目的とする反戦団体の一員として、一〇・二一反戦活動に積極的に参加して、逮捕されるが如きは、父兄のみならず、国民の教諭に対する信用を失墜し、同じ職場にある教諭全体の不名誉であることは言をまたないところである。
8 控訴人の行為の評価と本件処分の妥当性
(一) 組織に加入して反戦活動を行う者が確信犯にも比すべき強い信念をもつて行動し、容易に考え方を変えたり自己の行動に対

する反省がないことは公知の事実であるが、控訴人も例外ではなかつた。
控訴人の思想、学校教育に対する考え方は、さきに引用した文章と当法廷における供述、態度に徴して明らかであるが、処分理由事実たる各行為はかかる思想、考え方に基いてなされたものである。しかして、控訴人が自己の行動を是とし、全く反省の色がなかつたことは、「獄中雑感」の内容(乙第三九号証、以下書証につき第を省略する)、逮捕勾留中の完全黙秘(乙三六号証・当審控訴人本人の供述)、釈放後、C校長に対する「こんどのことは自分の信念でやつたことで間違つているとは思わない」旨の抗議(

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