行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.30 東京高裁 昭和50(行コ)39 判定取消請求控訴等事件(13)

 

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いうことをあげている。
(一) しかし、控訴人が一〇月二一日東京都において国際反戦行動に参加し逮捕され、一一月一二日釈放されたこと、同日同人が白ヘルメツト・軍手・タオルを持つていたことは争いがないが、控訴人は高田馬場駅付近の機動隊との衝突事件には全く関係していない。
(二) そして何より明らかなことは、控訴人は逮捕勾留はされたが不起訴となつていることである。
「刑事犯罪の訴追を受けた人はすべて法律に従つて有罪と立証されるまでは、無罪であると推定される権利を有する」(人権に関する世界宣言一一条一項)のであり、控訴人は公訴の提起さえ受けていないのであるから、そのことを理由に不利益な取扱いをすることは、法の前の平等・公正の原則(地公法二七条)に反するものといわなければならない。
(三) しかも

、被告の主張する理由をみても、控訴人の具体的行動は何等特定されてもおらず、また主張もされていない。控訴人は高田馬場駅のはるか手前で逮捕されたものであつて、同駅付近の事件に参加したことはありえないのである。
被告がこの点の立証として人事委員会の審理のなかで提出した証拠を検討してみても、控訴人の同日の行動を明らかにするものは何もないのである。
乙三五号証の検察庁の回答によれば、公務執行妨害兇器準備集合の罪名しかなく、警察の回答である乙三四号証の放火未遂が欠落している。
乙三三号証の報告書は、警察での説明では「駅を占拠し、

電車のシートを外してバリケードを作り火炎ビンを投げた」とあり、検察庁では「地下鉄を<地名略>方面から西進し、高田馬場駅で下車した三〇名位の集団」のなかに、控訴人がいたとの説明だつたと記載してあり、その内容はまちまちである。
このようなくいちがいは現行犯逮捕した警察・検察においても、控訴人がどこで何をしていたのか全く特定することができなかつたことを示すものであつて、起訴しうるようなものではなかつたのである。
したがつて、被告が本件処分理由としている、控訴人が「過激な集団の一員として行動し」(処分事由説明書)たということを示す

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