行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.31 東京高裁 昭和51(行コ)61 所得税更正処分等取消請求控訴事件(12)

 

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産所得合算課税が違憲でないとしても、本件資産所得は、控訴人Bが相続によつて取得した株式から生じた配当所得であり、木来資産の分割とは無縁のものであつて租税回避行為の介在する余地のないものであるから、合算課税の対象とはなり得ないと主張する。
しかし、控訴人らの右の主張は、資産所得合算課税の制度が租税回避行為の存在する場合にのみ適用されるべきであることを前提とするものであるが、すでにその前提そのものにおいて失当であること、前段の説示によつて自ら明らかである。
(三) 所得税法九六条の解釈の適法性
さらに、控訴人らは、以上の主張にしてすべて理由がないとしても、控訴人Aは所得税法九六条三号にいう主たる所得者に該当せず、したがつて、控訴人Bもまた同条四号の合算対象世帯員に該当しないと主張する。
しか

し、所得税法九六条三号にいう「主たる所得者」とは、被控訴人のいうごとく、同法二二条二項の規定するとおり各種所得金額の合計額の意味であつて、その中に必らず資産所得金額が含まれていなければならないというわけのものではなく、それが含まれていない場合に主たる所得者を決定するに当り総所得金額から控除すべき資産所得金額は、零として計算すれば足りるのである。
それ故、控訴人らの右の主張もまた、採用の限りでない。
以上の次第で、本件各再更正には控訴人ら主張のごとき違法はなく、したがつてまた、本件各再更正を前提とする本件各決定にも違法はない


三、結論
よつて、本件訴えのうち、本件各更正の取消しを求める訴えは、いずれも不適法であるのでこれを却下し、その余の請求は、いずれも理由がないのでこれを棄却すべく、これと同趣旨に出た原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないので棄却することとし、控訴費用の負担につき、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を各適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 渡部吉隆 渡辺忠之 柳沢千昭)

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