行政訴訟判決

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  • ◆S53. 1.31 東京高裁 昭和51(行コ)61 所得税更正処分等取消請求控訴事件(4)

 

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さの効に、租税法律主義を保障した憲法三〇条及び八四条に違反することには変りはない。
(二) 仮に、資産所得合算課税の制度は、資産所得の恣意的な名義上の分散が行なわれた場合にのみ適用されるものと解すべきであり、この限りにおいて違憲とはいえないとしても、控訴人Bの資産所得は、すべて、同控訴人の実家の亡父Cより相続した株式の配当所得であつて、いわば同控訴人の固有財産から生じた所得と同視すべきものであり、夫たる控訴人Aの支配力の及ぶ所得でもなければ、控訴人Aが妻の名義を利用して取得した所得でもなく、租税回避行為の存在しないことが明らかであるから、この制度を適用すべき場合に該当しないものというべきである。
(三) 仮りに、以上の主張にしてすべて理由がないとしても、被控訴人のした前記各処分には、所得税法九六条の

解釈を誤つた違法がある。というのは、所得税法九六条三号にいう「主たる所得者」とは、必らず、その総所得金額に資産所得の金額が含まれている者でなければならない。このことは、同条号が「主たる所得者」とは「次条第一項に規定する親族のうち、総所得金額から資産所得の金額を控除した金額が最も大きい者」をいうと規定しているが、その者の総所得金額に資産所得の金額が含まれていない場合には、「総所得金額から資産所得の金額を控除した金額」を求めることが不可能であることからみても明らかである。しかるに、控訴人Aには資産所得がなかつたのであるから、同控訴人は、所

得税法九三条三号にいう「主たる所得者」に該当せず、したがつてまた、控訴人Bも、同条四号にいう「合算対象世帯員」に該当しないのに、被控訴人は控訴人がそれぞれ「主たる所得者」と「合算対象世帯員」に該当するものと認定して前記各処分を行なつたからである。
よつて、前記各処分の取消しを求めるため本訴に及んだと述べ、被控訴人の本案前の抗弁に対して、更正と再更正とは、いずれも、別個独立の処分であり、被控訴人のいうごとく、増額再更正は、更正の効力を全面的に失わせ、改めて納税義務の範囲を確定するものではなく、当初の更正をそのまま有効なものとして維

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