行政訴訟判決

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  • ◆S53. 1.31 東京高裁 昭和51(行コ)61 所得税更正処分等取消請求控訴事件(7)

 

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らの主張は、この制度が租税回避行為の存在する場合にのみ適用されるべきであるという見解に立脚するものであるが、かかる見解の採り得ないことは、さきに述べたところによつて明らかであるから、控訴人らの右主張も、その理由がない。
(三) さらに、控訴人らは、控訴人らが主たる所得者又は合算対象世帯員に該当しないと主張する。しかし、所得税法九六条三号にいう「総所得金額」には、同法二二条二項の規定するとおり、各種所得金額の合計額の意味であつて、その中に必らず資産所得金額が含まれていなければならないというものでもなく、それが含まれていない場合に主たる所得者を決定するに当り総所得金額から控除すべき資産所得金額は、零として計算すれば足りるのであるから、控訴人らの右主張もまたその理由がない
と述べた。
証拠(省略)

○ 理由
一、本件各更正の取消しを求める訴えの適法性について
控訴人らは、本訴において、各更正の取消しを求めているが、控訴人らの当該年分の所得税につきその後再更正の行なわれたことは、控訴人らの自ら認めて争わないところである。しかして、かように、或る年分の所得税について再更正が行なわれる場合には、当初の更正の取消しを求める訴えがその利益を欠いて不適法となることは、すでに確立した判例である(最高裁判所昭和三二年九月一九日第一小法廷判決、民集一一巻九号一六〇八頁、同庁昭和四二年九月一九日第三小法廷判決、民集二一巻七号一八二

八頁参照)。
二、本件各再更正の取消しを求める訴えについて
控訴人らが生計を一にする夫婦であり、昭和四八年における控訴人Aの所得は事業所得と長期譲渡所得とであつて資産所得がなく、控訴人Bの所得は株式の配当所得のみであり、その株式が同控訴人の亡父から相続したものであること、控訴人らが右年分の所得税につきそれぞれその主張のごとき確定申告をしたところ、被控訴人が控訴人Bの配当所得たる資産所得を主たる所得者と認める控訴人Aの総所得金額に合算して税額を算出し、本件各再更正を行なつたことは、いずれも、当事者間に争いがない。
控訴

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