行政訴訟判決

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  • ◆S53. 1.31 東京高裁 昭和51(行コ)61 所得税更正処分等取消請求控訴事件(8)

 

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人らは、右各再更正の適法性を争うので、以下、その適否について判断する。
(一) 資産所得合算課税の合憲性
控訴人らは、まず、所得税法九六条ないし一〇一条の規定する資産所得合算課税が憲法一三条(個人の尊重)、一四条(法の下の平等)、二九条(財産権の保障)、一二〇条及び八四条(租税法律主義)に違反すると主張する。
所得税法九六条ないし一〇一条の規定する資産所得合算課税は、一定範囲の親族(生計を一にする親族のうち「夫と妻」、「父又は母とその子」、「祖父又は祖母とその子」《但し、子及び孫については、配偶者又は子を有する者並びに資産所得以外の所得の合計額が一〇万円を超える者を除く。》)のうちに、所定の額を超える利子所得、配当所得及び不動産所得たる「資産所得」を有する者がいる場合、その親族(「合算対象世帯

員」)の資産所得を「主たる所得者」(総所得金額から資産所得の金額を控除した金額が最も大きい者、総所得金額から資産所得の金額を控除した金額のある者がいないときは、資産所得の金額が最も大きい者)の所得とみなして主たる所得者の総所得金額に合算し、その合算された所得金額に累進税率を適用して税額を算出し、それを主たる所得者の総所得金額と合算対象世帯員の資産所得金額の割合に応じて按分し、そのそれぞれの税額をもつて主たる所得者及び合算対象世帯員各人の税額(但し、合算対象世帯員については資産所得以外の所得につき別に計算した税額が合算される。

とする制度である。この制度が、資産所得の恣意的な分散による租税負担の軽減を防止する機能を果たしていることは確かである。しかし、単にそれのみに尽きるものではない。若し控訴人らのいうごとく、この制度がいわゆる租税回避行為(その概念の確定は、しばらくおくこととする。)を封ずることのみを目的として設けられたものであるとすれば、租税回避行為は、資産所得についてだけ、しかも右のごとき範囲の親族間においてのみみられるわけではないから、合算対象所得の種類を単に資産所得のみに限定する必要はなく、また、合算対象世帯員の範囲を右のごとき一定の親族のみに限る

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