行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.30 東京高裁 昭和50(行コ)39 判定取消請求控訴等事件(17)

 

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ト人間を大量につくり出すということになるだけである。それによつて、青年が荷うべき日本の学問思想は、ひたすら退廃の一途をたどるものとなるばかりである。
教育委員会は高校教員に対し「全体の奉仕者」という統制を押しつけることによつて、没主体的なロボツト青年を大量に生産することを求めているのであろうか。もしそうであるなら、日本はひたすらに滅亡の道をつき進むことになるであろ。
戦前、戦時、青年であり学生であつた世代の控訴人代理人としては、まさに戦時下において日本の教育がそのようなものであつたことを思い、慄然たる思いを禁じえないのである。
控訴人は、昭和四〇年四月高校教師になつてから本件処分まで日常の教育活動において特に問題にされたものは何もないのである。懲戒免職処分は、服務規律を害したものに対する懲戒と

してなされる最も苛酷なものである。
被告が本件処分の理由としてあげる大部分のものは、控訴人の勤務時間外、勤務場所外の控訴人の市民としての行動であつて、本来それは懲戒処分になじまないものである。
しかも、そのいずれもは、少くとも免職の理由となるものでは絶対にない。
本件免職処分は違法のものであり、取消しを免れないものである。
第三、証拠(省略)
○ 理由
第一、三九号事件について。
当裁判所も控訴人の被控訴人に対する判定取消の請求を理由がないものと認める。その理由は、次に付加するほか、原判決がそ

の理由において説示するところと同一であるから、これを引用する。
控訴人は、原処分の取消を求める訴訟においては、裁判所は処分庁に裁量権のゆ越または濫用があつてもそれが違法であつた場合にのみ取消を命じ、それに不当な点があり修正を要する場合に請求を棄却するが、裁決の取消を求める訴訟においては、それに不当な点があつた場合にも、裁決を違法として取消し、処分の修正による救済がはかれると主張する。
しかしながら、処分庁に裁量権のゆ越または濫用がある場合には、その処分は不当であるのみならず違法なのであつて、そのように懲戒免職処分を停職・減

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