行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.30 名古屋地裁 昭和51(行ウ)18 許可処分有効確認請求事件(4)

 

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可は、公衆衛生の見地から社会公共の秩序に対する支障を防止することを目的として、公衆浴場を業として営むことを一般的に禁止されているのを、特定人に対する関係において禁止を解除し、その者をして公衆浴場を適法に営業することを得させるものである。従つて、その営業を行ない得る公法上の地位はその者の死亡と同時に消滅し、物的な施設を相続した相続人において当然承継すべきものではない。
(二) また、公衆浴場業の認可は公衆衛生の見地からなされる許可であつて被告市長の管掌に属する事項であるが、これと異なり風俗保持の見地からの規制にわたる風俗営業等取締法四条の四の「個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」については、被告市長としては何らの許可も与えていない。
そして、同法同条三項所定の既得権者とは、ひとえに同法独

自の観点から導き出されるべき概念であるから、仮に原告が公衆浴場の本件許可についてはこれを相続したとしても、そのことから直ちに風俗営業等取締法四条の四所定の適用除外を受ける既得権者に該当するということにはなり得ないのであつて、既得権者に非ざる原告が適法に個室付浴場業を営み得る余地はないのである。
(被告公安委員会)
一 風俗営業等取締法四条の四第四項は公衆浴場法による営業の許可を受けて適法に個室付浴場業を営んでいる者が、同項各号の一に該当する場合には、公安委員会は当該営業者に対して一定の期間を定めて営業の停止を命ずることがで

きることを定めたものであつて、無許可営業者を対象とするものではない。
原告は公衆浴場法による営業の許可を受けていない者であるから、この原告に対し被告委員会が右規定によつて営業停止を命じ得る権限はない。従つて、被告が右権限を有することを前提としている本件訴えは訴の利益を欠き不適法である。
二 行政処分については行政庁が第一次的判断権を有するが、本件訴えは、行政庁の第一次的判断を経た行政処分が存在しないのに、司法審査を求めるものであるから不適法である。
三 本件訴えが無名抗告訴訟であるとしても、行政処分がなされる相当の確

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