行政訴訟判決

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  • ◆S53. 1.30 名古屋地裁 昭和51(行ウ)18 許可処分有効確認請求事件(7)

 

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果は同人が昭和五〇年八月六日に死亡したことに伴い浴場施設の相続人たる原告に相続、承継されている、と主張する。
よつて検討するに、公衆浴場法二条二項は、「都道府県知事は、公衆浴場の設置の場所若しくはその構造設備が、公衆衛生上、不適当であると認めるとき又はその設置の場所が配置の適正を欠くと認めるときは、前項の許可を与えないことができる。」としており、許可申請があつた場合にこれを不許可となし得る事由(審査基準)が物的事項に限定されていることは原告所論のとおりである。そして、このことを根拠にして、公衆浴場業の許可をいわゆる対物的許可と解し、その譲渡性、相続性を肯定する見解もある(同旨、磯崎尼五郎「衛生法」(法律学全集)三九頁参照)。
しかしながら、許可の効果が特定の人(申請人)に対してのみ生ずるか、あるいは

それ以外の人(譲受人、相続人)に対しても及ぶかは、先ず法令の規定により、規定が明らかでないときは許可制にした法の趣旨、目的、許可に関する法の諸規定を綜合考慮して、これを決定すベきである。
これを公衆浴場法の規定について見ると、その審査基準は前記のとおり物的事項に限定されているけれども、「業として公衆浴場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。」(二条一項)として人が公衆浴場業を営むには許可を必要とする旨を明文をもつて定めた上、浴場営業者が営業に際して採るべき措置を法定し(三条一項、四条、五条二項)、「都

道府県知事は、営業者が二条四項の規定により附した条件又は三条一項の規定に違反したときは、二条一項の許可を取消し、又は期間を定めて営業の停止を命ずることかできる。」(七条一項)として営業者の行為を原因とする許可の取消又は営業の停止を認め、「この法律施行の際、現に従前の命令の規定により営業の許可を受け、又は営業の届出をして、浴場業を営んでいる者は、二条一項の許可を受けるものとみなす。」(一三条)とも規定しているのであるから、これら法文の定めによれば、法は、公衆衛生の増進及び向上を図る目的のもとに、浴場の構造、設備等についての物的要素そのも

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