行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2. 8 広島高裁松江支部 昭和51(ネ)74 土地所有権確認等請求控訴事件(14)

 

前ページへ  次ページへ

その生家のある本件土地が区画整理にかかることはその当時伝え聞いていたこと、しかるに、原告らは、右のようにして本件土地について区画整理が進行していることを知りながら、その成行について格別の関心を払わず、換地に関する手続の一切をDが処理するのに任せ、右手続の完結まで同人に対しても施行者に対しても何らの異議を述べなかつたこと、以上の事実が認められる。前掲各原告本人尋問の結果中、以上の認定に反する部分は信用することができない。
(4) ところで、原告らは、前記清算金通知書を受領するまでは、本件土地が亡Aの遺産相続により原告らの所有に帰したという事実を知らなかつた旨供述するところ、これをただちに信用すべきかどうかは疑問であるが、一歩譲つてこれが真実であるとするならば、右認定の事実関係のもとにおいても、原告らがDに本

件土地の処分につき代理権を与えていたとまで評価することは困難である。しかし、換地処分(および仮換地指定処分)はいわゆる対物処分であつて、人的要素をその内容としないものであることからすると、関係権利者を確定しこれを手続に関与させることは本質的に不可欠なことではないと考えられるから、施行者が無権限者を土地所有者の代理人として取り扱い、これに換地処分通知等を送達したことがあつても、そのことだけで換地処分が当然に無効となるものと解することは相当でなく、その点の瑕疵が処分の効力にどのような影響を及ぼすかは、具体的事実関係によつて考えるべきである

。本件においては、前記事実関係によれば、施行者は、本件土地の真正な権利者を正当に覚知しつつ、Dをその代理人として手続を進めたものであつて、同人に代理権があると信じたことには一応無理からぬ事情があつたものと認めることができ、行政手続として著しく杜撰であつたというべきではない(この点に関し、原告らの主張三、(一)(4)の代理人の選任、届出に関する規定の違背が、処分を当然に無効ならしめるほどの重大な瑕疵にあたるものでないことは、いうまでもない)。他方、右認定のとおり、原告らは、本件土地につき換地に関する手続が進行しており、実父のDがその一切

前ページへ  次ページへ