行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.31 名古屋高裁 昭和50(行コ)14 不当支出取消請求控訴事件(2)

 

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当局が、日立製作所の工場拡張について、財政上あるいは地域振興上の観点から好ましいものと評価していたとしても、そのことから直ちに営利事業に対し補助金を支出することは、行政の正道から外れたものである。
二、本件補助金支出の当事者は、公社ではなく、日立製作所である。
本件補助金の支出は、実質的に、日立製作所の工場敷地整備事業に対してなされたものであつて、それは、日立製作所が補助金を得るについて、公社というワンクシヨンをおいた方が刺激が少ないためと、多数当事者との敷地売買契約締結上の便宜のため美濃加茂市開発公社が、日立製作所の利益のために「トンネル」として形式上介在したもので、公社は、単なる「かくれみの」にすぎない。
したがつて、本件補助金が、同市から公社に支出されていても、それは日立製作所に対する支

出にほかならない。
三、本件補助金の違法性について。
1 財団法人美濃加茂市開発公社寄付行為一五条違反
公社寄付行為一五条は、「事業計画に明示なき一件一〇〇〇坪以上の土地又は、評価額五〇〇万円以上の不動産の取得及び処分に関すること」については、公社理事会の議決を要するとされているが、本件敷地売買の合意書である覚書は、右理事会の議決がなされた昭和四四年一一月五日以前の同年一〇月三一日に公社の独断で作成されている。
すなわち右覚書は、
甲第一三号証(公社保有の覚書)は、「昭和四四年一〇月」が、「同年一一月」に

改ざんされており、
甲第一五号証(日立保有の覚書)は、「昭和四四年一〇月  日」と、そのままで傍らに「調印日一一、五」の記載があり、
これは、理事会の議決日時と、つじつまを合わせるために覚書の日付を改ざんしたものである。
2 地方自治法九六条違反
美濃加茂市は、本件土地売買契約における公社の日立製作所に対する違約返還金支払債務その他の取引上の債務につき連帯保証をしているが、総額一億七千万円という高額の取引について、市が連帯保証するには、地方自治法九六条五号ないし八号の趣旨に照し、議会の議決が必要であるところ、そ

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