行政訴訟判決

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  • ◆S53. 1.31 名古屋高裁 昭和50(行コ)14 不当支出取消請求控訴事件(6)

 

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として本件補助金の支出決定をなしたものであることが認められるから、右支出決定は右低工法の目的を達成するためになされた適法なものというべきである。しかも、成立に争いのない乙第一号証の一、二、第二号証、第三号証の一、二、第四ないし第六号証、第七号証の一ないし四、原審証人A、原審と当審における証人Bの各証言並びに弁論の全趣旨によれば、現に前記日立白黒テレビ組立工場操業開姶以降の日立岐阜工場の従業員数及び課税状況をみるに、原判決添付の別表(一)(二)のとおり、昭和四八年一月現在その従業員総数六五〇名中美濃加茂市地域住民の就業者は、三三三名であり、昭和四六年度の固定資産税及び交付税は、カラーテレビ組立工場が、同四五年四月から操業したので、白黒テレビ組立工場分と合せて前年度の約二倍の三三、一四三、一〇〇円の増加となり、工場

建物に対する減価償却による若干の減額にあるものの将来にわたつて恒常的に右固定資産税等が同市に納入されることが認定されるのであるから、本件補助金の支出は、低工法の本旨に適つた公益上必要がある場合に該当するものであると判断する。
もつとも控訴人は、従業員を雇傭し、納税をなして、地方公共団体の財産を潤し、地域の振興に寄与するのは、営利活動の反射的ないし間接的結果にすぎないというが、低工法の目的は、低開発地域における工業の開発を促進することにより、雇傭の増大に寄与し、地域間における経済的格差の縮少を図り、もつて国民経済の均衡ある発展に資

することにあるのであり、その目的達成の一つとして同法七条では地方公共団体等は、工場用地の整備等の促進に努むべきことを規定しており、低工法により低開発地域工業開発地区の指定を受けた美濃加茂市の首長たる同市長としては同法の趣旨に適合した工場を誘致する行政上の責任を負つているものというべく、右工場誘致の結果、控訴人のいう如き営利活動の反射的ないし間接的効果は、当然低工法の目的に包摂さるべきものではあるが、右目的達成のために、如何なる工場を誘致するかは、原則として同市長の裁量にかかつているものといわなければならない。
従つて控訴人の右主

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