行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 1.31 名古屋高裁 昭和52(行コ)7 転任処分取消請求控訴事件(4)

 

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な判断を求める行政不服審査法上の審査請求・再審査請求と全く異なるといわなければならない。そればかりでなく、この再審は、最初の審査請求の判定の有利不利にかかわらず、当事者の双方、すなわち被処分者と処分行政庁のいずれからも請求することができるのであつて、この点でも、不服のある者だけがする右の審査請求・再審査請求と異なる。そして、更に特記すべきことは、右の再審の審理・判定は、所定期間内における当事者の請求によるだけでなく、人事委員会がいつでも職権によりすることができるとされている点であり、このような救済手続は、行政不服審査手続一般を定める行政不服審査法の全く予定しないところである。このように考えると、同規則五節に定める「再審」は、規定上同規則二節ないし四節の「不服申立(審査請求又は異議申立)」に次ぐ審査手続として定め

てあり、原判決が説くように一見二審制の不服申立の体裁をとつているように見えないではないけれども、その実質においては、行政不服審査法上の不服申立(審査請求・再審査請求又は異議申立)と全く別異な特別の行政上の救済手続と解するほかなく、従つて、右再審の請求に対する名古屋市人事委員会の判定を行政事件訴訟法一四条四項に規定する「審査請求に対する裁決」に該当するものと解することはできない。
なお、このように消極に解すると、最初の審査請求に対する判定に対し、三月以内に再審の請求をすることができる旨の教示に従つて右の再審の請求をしたものの、却下

の判定を受けたときにはすでに出訴期間を徒過していて、原処分の取消を求める訴訟上の救済の道を閉ざされる結果になることがあり得るが、もともと行政不服審査前置の場合の出訴は、その前提である行政上の不服申立が適法な場合に限られるのであつて、これを再審の請求についていえば、それが手続上の瑕疵により却下される場合にもとより、再審事由が認められないとして却下される場合も、等しく不適法な請求と解することができ、そうとすれば、たとえ前記の教示に従つて再審の請求をしたとしても、それが不適法却下になつた場合に右指摘のような結果になるのはやむを得ないところで

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