行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2.14 東京地裁 昭和52(行ウ)68 列車運行表の認可処分等差止請求事件(6)

 

前ページへ  次ページへ

に供されることにより、国民がこの利用によつて享受する便益もまた、公物である道路を、その主体である国、都、道、府、県その他の地方公共団体において公共用公物として維持管理していることによつて生ずる事実上、経済上の反射的利益であつて、そのいずれについても、これを法律の保護する権利・利益すなわち法律上の利益であると解すべき根拠に乏しく、まして、原告らに対してのみ、当該バスあるいは当該バスの走行する路線の設定されている道路を、何らの渋滞もなく使用する権利・利益を、他の国民あるいは住民一般と区別して、個別、具体的な権利・利益として法律が特に付与し、これを保護しているものと解すべきいわれはないものといわなければならない。(なお、いわゆる主観主義の立場から行政争訟制度を営為することとしている現行行政事件訴訟法等のもとにおいては

、法律によつて保護されている自己の権利・利益の侵害にかかわりのないあるいはこれと一般公衆の有する巷利・利益とを区別し得ない国民一般の権利・利益あるいは公共の利益の侵害を理由として争訟を提起し得ない建前であることはいうまでもない。)
4 また、本件においては、新東京国際空港公団の供用開始期日の届出も、京成電鉄の認可申請も、いずれもまだなされていない段階なのであるが、このような段階における本訴を認めることは、抽象的な規範統制訴訟を認めるのと実質的に異ならないこととなるのであつて、本訴は争訟の成熟性、具体的事件性を欠くものとして、現行

行政事件訴訟法上、到底承認され得ないものというべきである。
5 そればかりでなく、抗告訴訟を中心とする我が行政事件訴訟法のもとにおいて、本件のような特殊な形態のいわゆる予防的な事前の行政訴訟の提起が許されるためには、少なくとも行政庁の一次的判断を重視する必要がなく、しかも国民の権利・利益を行政権の違法な行使による侵害から守るために事前の司法審査が必要不可欠な特別の場合、例えば、当該行政庁においてその処分をなす権限を有しないことが行政庁の一次的な判断をまつまでもなく明白であり、しかも右行政庁が、その有しないことの明らかな権限を、有

前ページへ  次ページへ