行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.14 東京地裁 昭和52(行ウ)68 列車運行表の認可処分等差止請求事件(9)

 

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も保護されているものである。したがつて、原告らの享受している交通の安全、円滑の利益は、被告らが主張するような利用者一般に間接的に保護されている抽象的利益ではなく、個別的、具体的な法律上の利益なのである。
また、原告らの一部は、京成電鉄とのバス定期券や回数券による運送契約を締結しているが、その契約内容のなかには運送時刻表どおり運送することを請求する債権が含まれているとごろ、右債権が実体法上の個別的、具体的な権利であることはいうまでもなく、本件告示及び認可が右権利を侵害することは明らかである。
5 被告らは、本訴の事件としての成熟性を否定しているが、新空港開港の時期については昭和五二年中あるいは昭和五二年度中といわれ、既に開港寸前の切迫した段階に到達しているのであるから、事件は正に成熟しきつているという

べきである。
6 被告らは、本件においては処分後の取消訴訟によつては救済し得ない特段の事情が存しない旨主張するが、本件告示及び認可がなされれば、空港の諸施設、諸機関は一斉に始動し、世界各国の航空機は乗入れを開始し、京成電車空港線も運転を開始することとなるのであつて、事後において、これらすべての原状回復を求めるのは非現実的に過ぎ、むしろ、右各処分のされる前に、その差止めを求め、開港を延期することの方が適切であり現実的であるというべきである。
第三 証拠関係(省略)
○ 理由
一 被告大臣に対する訴えについて

原告らは被告大臣に対し本件告示をしてはならない旨求めるものであるところ、このような行政庁に対し特定の行為の禁止を求める訴訟が行政事件訴訟法上の抗告訴訟の一態様として認められるかどうかについては議論の存するところであるが、この点はさておくとしても、かかる訴訟が抗告訴訟として許されるためには、少なくとも、当該不作為の対象とされる行為が、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為、すなわち当該行為によつて国民の法律上の地位ないし権利関係に直接何らかの影響を与えるような性質のものでなければならないというべきである。
そこで、本件告示が

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