行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2.21 東京高裁 昭和48(行ケ)170 裁決取消請求事件(5)

 

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においてかかる日常生活上の利益が個別的、具体的な利益として保護されていないことは既に述べたとおりであつて、原告らの右主張をもつて本訴における原告らの原告適格を基礎づけることはできない。
また、原告らは、本件認可によつて原告らの一部が京成電鉄との間で締結しているバス定期券等による運送契約上の債権(運送時刻表どおりに運送することを請求する債権)が侵害されることを理由にその差止めを求める原告適格がある旨主張する。しかしながら、仮に、原告らの一部がその主張にかかる内容の債権を有しているとしても、陸運局長のする本件認可は、列車等の運転速度、度数の制定、変更についてされる処分であつて、その法的効果として原告らに対しその主張するような債権を剥奪ないし制限することを内容とする性質の処分ではなく、したがつて、本件認可によつ

て原告らの右債権そのものが侵害されるということがないことはいうまでもないし、また、仮に本件認可によりその主張にかかる債権の満足を図ることが事実上困難になり、ひいては原告らの契約上の利益が阻害されるとしても、原告らのそのような契約上の利益が、地方鉄道法上個別的、具体的な利益として保護されていると解すべき根拠はないから、原告らの右主張は理由がない。
以上のとおりであつて、原告らは本件認可の差止めを求めるにつき法律上の利益を有していないから、原告らの被告局長に対する訴えは、その余の点について判断するまでもなく、原告適格を欠く不適法な訴

えといわざるを得ない。
三 よつて、原告らの本件訴えはいずれも不適法であるからこれを却下することとし、訴訟費用の負担につき、行政
事件訴訟法第七条、民事訴訟法八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 山下 薫 佐藤久夫 三輪和雄)
◆S53. 2.21 東京高裁 昭和48(行ケ)170 裁決取消請求事件

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