行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(2)

 

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き抗告人は、原告として自ら訴状を作成して訴を提起し、その後に至つて弁護士を訴訟代理人に選任し、請求の趣旨の訂正及び被告の変更を申し立てたものであるが、前記訴状の記載によると、当初の請求の趣旨は、被告とされた相手方が訴状添付物件目録記載の土地につき昭和四九年一〇月一一日なした権利取得裁決及び明渡裁決の取消を求めるというのであり、請求の原因として、右取消の対象となる本件収用裁決がなされた旨、及び右裁決は本件収用土地等が宗教法人である原告に固有のものであるのにこの権利を故意に否認してなされ信教の自由を侵害する違法なものである旨主張しているのであつて、右記載によれば右請求は裁決取消請求を超えるものでないことが認められる。もつとも、右訴状請求原因二(1)の記載によれば、抗告人は、「正当な補償について審理するには、当該対象

物件について精査し、実体を正格(ママ)に判定することがその前提条件でなければならない。」と主張し、一見損失額の認定につき不服を述べているようにみえるが、同請求原因一ないし三全体の記載を記録中の本件土地収用事件についての相手方作成裁決書と対照し通観して仔細に検討するとそうではなく、かえつて、土地所有者である抗告人が起業者である日本道路公団によつて起業地とされた本件寺有地は宗教法人法三条に規定するかけがえのない抗告人固有の境内地であつて非経済的特殊土地であり、適正な補償は不可能であると主張したのに対し、相手方はその裁決において土地所有者に

対する損失補償につき抗告人の主張するような特殊価値等は考慮を要しない旨説示したので、抗告人としては具体的な損失補償金額を主張するものではなく、信教の自由を保障する違法にも抵触する境内地の破壊削減を前提とする補償審議には応じないとの立場を述べたものに過ぎないと認むべきであつて、前記鍵括弧内引用の記載をもつて抗告人が原告として当初から損失・補償の請求又は正当な補償のないことの主張をしていたものとみることはできない。さすれば、本件請求の趣旨につき訂正という方法で当初は存在しなかつた損失補償請求を追加することは許されず、右請求の趣旨の訂正が許

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