行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(9)

 

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」を認受すべき立場に立たされているものといわねばならないのである。
2 ところで、収用裁決取消請求を第一次的、損失補償請求を第二次的とする主観的予備的併合訴訟における場合と両請求が同時に別訴として訴訟になつた場合とで、損失補償請求の被告である起業者の地位の不安定不利益に差異があるかどうかを考えるに、主観的予備的併合訴訟の場合、第二次被告の起業者は訴訟の当初から訴訟に関与しなければならないにもかかわらず、第一次の収用裁決取消請求が認容されれば、自己に対する損失補償請求については判決を求めることができず、また収用裁決取消請求の認容判決が確定すれば、自己に対する右請求につき同意なくして訴訟係属を消滅させられることになりその地位が不安定不利益である(しかし、右請求の再訴を提起されるおそれはないしことは否定できない

が、しかしながら別訴による場合でも損失補償請求訴訟の被告(起業者)の地位が不安定不利益であることは同様である。すなわち、損失補償請求訴訟の被告としては、収用裁決取消請求訴訟とは別訴なのであるから、その訴訟進行と関係なく、自己の訴訟につき審理を進め判決を求めることができ、先に判決が確定することもあり得るが、収用裁決取消請求訴訟の認容判決が確定すれば、かりに自己の訴訟につき判決が確定していたとしても、それはまつたく無意味な判決となり、又判決確定前であれば、その後の訴訟続行は全く不必要となるのであり、その地位か不安定不利益であることは、前記

主観的予備的併合訴訟の場合において判決が得られず又同意なくして訴訟係属を消滅させられることとの間に実質的な差異はないのである。
そうだとすれば、前記主観的予備的併合訴訟における第二次被告たる起業者の地位の不安定不利益は、かかる訴訟形式をとることによつて特に生ずるものというよりは、むしろ前記のとおり損失補償請求が収用裁決取消請求に対し第二次的関係にあること及びその出訴期間が制限されていることに由来するものであり、右被告の地位の不安定不利益をもつて前記主観的予備的併合を認め得ない理由とすることはできないといわなければならない。

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