行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(10)

 

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3 なお、主観的予備的併合を不適法とする説は、一般には右併合を認めた場合には、訴訟終了まで併合関係を維持することによつて得られる複数の被告との間での統一的裁判の保障がないということをもその理由の一としている。
前記最判昭和四三・三・八は、右理由は特段あげていないが、最高裁判例解説昭和四三年度民事編上巻(栗山忍)は、「否定説の根拠とする他の理由、すなわち統一的裁判の保障の存しないことをもその理由とすることを、少なくとも排斥する趣旨ではないと解せられる」(二九七頁)と解説している。
しかし、収用裁決取消請求と損失補償請求との主観的予備的併合については、右否定説のあげる非難は、以下に検討する如くあたらないというべきである。
右主観的予備的併合を認めても、被告両者相互間に参加的効力を認めるなどの立場

をとらない以上、第一審において第一次の収用裁決取消請求認容の判決がなされ、これにつき上訴がなされた場合、第二次の損失補償請求訴訟が移審しないため、併合関係を維持できないことになるが、この場合にも事実上第一次請求の判決が確定するまで審理を続行しないことにより(その結果第二次請求の被告の受ける地位の不安定不利益が当初から別訴によつた場合のそれと実質的に差異がないことは前述のとおりである)、前記裁判の矛盾抵触を避けることができるのであり、また、第一審において第一次請求棄却、第二次請求認容又は棄却の判決がなされ、第二次請求の判決についてのみ上

訴がなされ、第一次請求の判決が確定した場合にも併合関係は消滅するが、この場合上訴において第二次請求の勝訴がどうであれ、第一次請求の確定判決と矛盾抵触する結果が生ずることは考えられない(第二次請求は第一次請求棄却が前提となるだけで、第一次請求棄却の場合には第二次請求が認容されなければならないという関係にないからである。この点で複数被告のうちいずれか一人に対して勝訴の機会を確保しようとする一般民事訴訟事件における主観的予備的併合の場合とは異なる)。従つて、訴訟終了まで併合関係を維持することによつて得られる複数の被告との間での統一的裁判の保

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