行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(11)

 

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障がないという非難は、右収用裁決取消請求と損失補償請求との主観的予備的併合についてはあたらないというべきである。
4 以上検討した通り、損失補償請求は本来収用裁決の内容の一部に対する不服であり、収用裁決取消請求に対しては第二次的関係にあること、損失補償請求訴訟の被告である起業者と収用裁決取消訴訟の被告である収用委員会の各地位が同一基盤に立つものであること、損失補償請求訴訟の出訴期間が収用裁決取消請求訴訟のそれとほぼ同一期間に制限されていることなどを併せ考えると、土地所有者が収用裁決取消と損失補償請求を共に訴訟上請求しようとする場合には、両請求につき別々に訴えを提起させるよりも、損失補償請求を第二次的とする主観的予備的併合の訴えを提起させることの方が、審理の重複を避け、かつ、不必要な審理をしないですむ点で訴

訟経済にかない、また収用裁決取消判決と損失補償判決の併存という裁判の矛盾抵触を避けることができ、さらに同一収用裁決に関する紛争をできるかぎり一挙に解決したいであろう土地所有者の意思にも合致することになるのであり、主観的予備的併合を認める必要ないし実益は少なくないのであり、他方このような併合を認めても第二次請求の被告である起業者に対し当事者公平の原則に反するほどの犠牲を強いるものではないから、かかる訴訟形式も許され適法であると解するのが相当である。
従つて、最判昭和四三・三・八は、一般の民事訴訟事件についてはともかく、本件のような

収用裁決取消請求と損失補償請求を求める場合については、少なくとも先例としての価値を有しないものというべきであつて、原審がこの点を検討せずに右最判を引用するのみで原告の申立を却下したのは違法であるといわねばならない。
最判昭和四三・三・八以後において、主観的予備的併合を認めたものは既に幾つか存するのであつて、そのうち特に松江地判昭和四五年一二月二五日(行裁例集二一巻三号六〇三頁)及び広島地判昭和四九年一二月一七日(判例時報七九〇号五〇頁)は、いずれも土地収用における裁決取消請求と損失補償請求につき、主観的予備的併合を認めたもので本

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