行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(12)

 

前ページへ  次ページへ

件と全く同様の事案に関する点で高く評価されるべきものであり、それは結局最判昭和三七年二月二二日(民集一六巻二号三七五頁)が「農業委員会を被告とする買収計画取消請求と、国を被告とする買収対価増額請求とを、予備的関係において併合することを認めることを前提とするもの」(前掲最判栗山解説三〇一頁注七)であることの同一線上に位置する判例として考えられなければならないといわねばならない。従つて、昭和三七年の右最高裁判例は、なるほど原審決定や栗山解説の言うように「主覗的予備的併合の許否についての先例としての価値を有しないとみるべきではあろう」が、そこで言う「先例としての価値」なるものは一般的にあらゆる訴訟についての先例価値を有するわけではない、という限りのものであつて本件のごとき同種の事案についての先例価値まで否定することは

できないはずのものである。原審決定は、事案の内容につきこの点の検討を怠つたとの非難は逸れない。
三 本件における第一次請求、第二次請求の各被告の「実質的同一性」一について
1 前記のごとく、最判昭和三七・二・二二は、農業委員会を被告とする買収計画取消請求と、国を被告とする買収対価増額請求とに関して、主観的予備的併合を認めることを前提として、出訴期間経過後の予備的請求の訴を適法とした。
これに対し、前掲最判栗山解説は、「両請求の被告は形式的にはともかく実質的には同一であるとみるべきであろうから」併合を認めたものだと述べ

ている。
原審決定は、主観的予備的併合は「行政事件訴訟においてもその例外ではない」と判断して、本件につき、第一次請求の被告長野県収用委員会と第二次請求の被告日本道路公団の「実質的同一性」については判断を加えていない(もつとも、原審決定は「被告両名は法人格が異なりこれを同一視することができない」と述べているが、この部分は、「実質的同一性」につき述べたものではなく、客観的予備的併合ではないことについて述べたもので、結局「実質的同一性」については検討を加えていないのである。)。
原告は、前記二において検討したように、土地収用にお

前ページへ  次ページへ