行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(13)

 

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ける裁決取消請求と損失補償請求という本件の如き事案については主観的予備的併合を認めるのが相当であると解するものである。が、前掲最判栗山解説が前記のように「実質的同一性」につき若干触れておくこととする。(尚、前掲松江地判及び広島地判は、栗山解説後のものであるが、特段「実質的同一性」の問題に触れずに肯定の結論を出していることには注意する必要があろう。)
2 「実質的同一性」に関しては、原審における原告準備書面IIIの第二の三において、既に詳細に検討しておいたので、ここでもそれを全面的に援用しておくが、尚次の点を再度強調するものである。
即ち、本件予備的請求の被告である日本道路公団は、本来国の事業である国土開発幹線自動車道等の国道新設、改築事業等のうちいわゆる有料道路に関する事業を行うことを目的とする国家

の分身たる特殊公法人である(同公団法第一条)。同公団は、いわゆる国策によつてその事業遂行上の便宜のために国とは別個独立の法主体とされたのであつて、その実質において国の機関たることには何らの疑いもないものである。例えば、昭和四四年参議院建設委員会において、吉国内閣法制局次長は、憲法二〇条三項に関する答弁の中で「例えば道路公団のような国の機関がそのような行事を行つても云々」と道路公団を国の機関であるとの実質上の理解の下に答弁を行つているのである。そして、前記準備書面IIIにおいても述べた如く、この公団の国家の分身たる性格は「法律上明確」で

あり、その「実質的同一性の存否の判断も、法令の規定上、恒常的に同一性が肯認される」ものなのである。
その上、もう一点強調しておくべきは、本件国道が「有料道路」 である故に、起業者は公団であつたが、本件国道が一般の(無料の)国道であつたならば、起業者は国に外ならないということである。国道が「有料」か「無料」か、起業者が公団か国かによつて、国民の権利救済を区々にすることは許されないことは明らかである。
3 以上の次第であるから、前掲最判栗山解説の如く、「実質的同一性」なる概念をもつて、前記判例の先例価値に仮え絞りをかけるとして

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