行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.14 東京高裁 昭和50(行ス)13 被告変更申立却下決定に対する即時抗告申立等事件(24)

 

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右の事実をもつて原告が当初から損失補償の請求をも包含しているものとみることはできない。
もともと土地収用法による収用裁決は、被収用者の私有財産上の権利を一方的に収用又は使用することを内容とする形式的行政処分を含む一方、被収用者がその有する損失補償請求権の内容を確定することを内容とする確認的行政処分を含む点で二種の行政処分を包含し、従つて、裁決に対する不服は通常損失補償に対する不服にも及ぶところ、損失補償に関する不服申立については、その争いの実態が補償当事者間の財産上のものに過ぎず、又処分庁たる収用委員会を被告として関与させるほどの公益上の必要性もないところから取消訴訟によらせることなく、土地収用法一三三条により、補償金授受の当事者間の訴訟として構成しているものであるから、土地収用裁決取消請求の訴えには当然

損失補償請求を包含しないものと解しなければならない。
そうだとすれば、本訴請求の趣旨につき訂正という方法をもつて当初から存在しない損失補償請求の追加をなすことは許されず、また、右請求の趣旨の訂正を前提とする被告の変更も許容することはできない。
二 次に、原告の予備的申立は本件裁決取消請求に損失補償請求が予備的に併合される関係になるので、右の併合が許されるか否かについて検討する。前者の請求の被告たる長野県収用委員会は国の行政機関であるが、後者の請求の被告たる日本道路公団は国から独立した日本道路公団法により設立された公法人であ

つて、右被告両名は法人格が異なりこれを同一視することができないから、右の各請求を客観的予備的併合として取扱うことができず、結局これらの請求を併合することは、いわゆる主観的予備的併合の関係に当ることになる。ところで行政事件訴訟における訴えの併合については行政事件訴訟法一六条ないし二〇条等に規定があるが、それには訴えの主観的予備的併合の許否について何らの明示がなく、従つて同法七条により民事訴訟の例によることになるが、つとに民事訴訟において訴えの主観的予備的併合が不適法であることは最高裁判所の判例の示すところであり(最判昭和四三年三月八日民

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