行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2.21 東京高裁 昭和48(行ケ)170 裁決取消請求事件(8)

 

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一)記載の犯罪事実により、懲役二年に処する旨の判決言渡しを受け、これに対して控訴を申し立てた結果、同三八年一一月二六日大阪高等裁判所において原判決破棄、懲役二年、執行猶予四年の判決がなされ、該判決は同四〇年四月二四日確定した。
さらに、原告は、同三八年一二月一四日大阪地方裁判所において、別紙(二)記載の犯罪事実により、懲役一〇月、執行猶予三年の判決言渡しを受け、該判決は同四〇年四月二四日確定した。
(ロ) のみならず、原告は、昭和四七年六月二七日脳梗塞症を発病し、被告資格審査会の出席要請に対しても、再三出席を延期し、同年九月四日に至り、漸く付添人の助けを得て出席したが、歩行困難で言語にも著しい障害が存在した。
(ハ) ところで、弁護士は、依頼者からの信頼を裏切らないばかりでなく、基本的人権を擁

護し、社会正義を実現すべき重大なる使命を有しているのであるから、誠実にその職務を行ない、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力し、さらにその教養、識見、品性などの陶冶に努め、法律及び法律事務に精通して一般国民の信頼に応えなければならない崇高な使命と重大な職責を有するものである。
右弁護士の使命及び職責に照らし、原告の前記各犯罪についてみると、その刑の執行猶予期間は経過したけれども、弁護士法第一二条第一項前段に定める一般弁護士ならびに弁護士会の信用を害する虞ありと認めるべきであり、かつ、その健康状態は、同項第一号に該当する心身の故

障があつて弁護士の職務を行なわせることがその適正を欠く虞れがあるというべきである。
したがつて、被告のなした本件裁決は正当であるから、原告の本訴請求は失当として棄却さるべきものである。
三 原告訴訟代理人は、右主張に対する認否並びに反論として、次のとおり陳述した。
被告の主張事実のうち、(1)、(2)の(イ)の事実及び同(ロ)の事実のうち、原告が被告主張の日に脳梗塞症を発病したこと及びその主張の日に被告資格審査会に出席した事実を認めるが、その余の事実を争う。
(一) 原告に対する刑事処分の対象となつた犯罪事実の

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