行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S53. 2.21 東京高裁 昭和48(行ケ)170 裁決取消請求事件(11)

 

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年九月三日に弁護士法第五五条に基づく呼出しに応じて右審査会に出頭し、かつ、上申書を提出して意見陳述、弁明をし、もつて自己の立場を十分防禦している事実を認めることができ、右の事実によれば、同審査会が右請求の進達拒絶の議決をするについて、原告に対しこれを防禦するための陳述及び資料提出の機会を与えなかつたということはできないから、同審査会が右登録請求進達を拒絶するを可とする旨の議決前あらかじめ原告に対しその旨の通知をしなかつたとしても、これがため同審査会の議決を違法ならしめるものではない。したがつて、原告の右主張も採用しない。
五 被告は、原告に対する刑事処分の事実は一般弁護士及び弁護士会の信用を害する虞れがある旨主張するので、以下、この点について検討を加える。
原告が昭和三六年三月一五日大阪地方裁判所に

おいて別紙(一)記載の犯罪事実により懲役二年に処する旨の判決言渡しを受け、これに対し控訴を申し立てた結果、同三八年一一月二六日大阪高等裁判所において原判決破棄、懲役二年、執行猶予四年の判決が言渡されたこと、原告が同三八年一二月一四日大阪地方裁判所において別紙(二)記載の犯罪事実により懲役一〇月、執行猶予三年の判決言渡しを受けたこと及び右各判決が同四〇年四月二四日確定した事実は、いずれも当事者間に争いがなく、右各執行猶予の言渡しを取消されることなくその猶予期間を経過した事実は、前説示のとおりである。
右の事実によれば、原告に対する

別紙(一)、(二)記載の犯罪事実による刑の言渡しは、いずれも執行猶予期間の経過により、その効力を失つたものである(刑法第二七条)が、右言渡しの事実そのものまでなかつたことになるものではなく、しかも、右の各犯罪事実は同二七年一二月ころから同三三年六月ころまで三三回にわたる詐欺、横領及び業務上横領の事案であり、その被害金額は翡翠原石の横領を除いても金二、四四八万円に達し、殊に右業務上横領の事実は、いずれも弁護士としての職務遂行に関連して行なわれたものであるから、一般弁護士の体面を損じ、弁護士会の信用にもかかわる極めて遺憾な出来事であつたと

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