行政訴訟判決

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  • ◆S53. 2.28 仙台高裁 昭和52(行コ)1 盛岡広域都市計画用途地域指定無効確認請求控訴事件(3)

 

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ら考えると、辺ぴな所に移転するわけにもいかない。工業の振興も重要であるが、工業優先の政策が見直されて福祉政策の必要が説かれている現今、本件行政処分には著しいかしがあつたと考えないわけにはいかない。
(被控訴代理人の陳述)
終戦後都市地域の膨張は行政担当者の予測をはるかに上廻るものがあり、人口の都市への集中は著しくなり、都市計画を無視した私的な開発による市街地の形成は、一方において道路、上下水道、学校、公園等の設備が伴わないままにすすめられ、後に地方公共団体に大きな負担を与えることになつた。最近は特に大気汚染、騒音、悪臭等の公害の防止、日照の確保など居住環境を保護し、一方においては商業、工業の健全な発展を計るため、都市地域内においてそれぞれの機能を分担させ、都市の健全な発展を促進する目的のもとに広域的

都市計画の見なおしが必要となつたのである。
用途地域制度の制定はこうした都市全体の大局的見とおしのもとに定められたもので、その地域内におけるすべての人々を満足させることは不可能であるから、都市全体の健全な発展をはかるという公共の目的のもとに個人の土地利用が制限を受けることもあり得るのであつて、控訴人ら主張のように建築にあたつて制限されることは最小限度やむを得ないことである。
(証拠関係)(省略)
○ 理由
被控訴人が昭和四八年五月一日岩手県告示第五九一号をもつて盛岡広域都市計画用途地域の決定をし、これを公告した

こと、右決定では本件地域が工業地域に指定されていることは、当事者間に争いがない。
しかしながら、都道府県知事のした都市計画法による用途地域の決定に対しその無効確認又は取消しを求める訴えの提起が許されないことは、原判決の理由に記載するところと同一であるから、これを引用する(最高裁判所昭和四一年二月二三日大法廷判決(民集二〇巻二号二七一頁)、同昭和五〇年八月六日第一小法廷判決(裁判集民事一一五号六二三頁)参照)。
よつて控訴人らの本件訴を却下した原判決は相当で、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、民事訴訟法三八四条

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